IT(Information Technology × 鉄道)

PREMIUM STORY

ITの技術で社会インフラの
安心安全を支えるというやりがい

新原 佑亮さん

お客様の目に見えない
立場で運行を支える

鉄道の安心安全な運行を支える、軌道総合管理システムの開発・運用・保守を担当しています。近鉄では走行に伴う線路のゆがみを検知するために、専用の検測車を走らせるほか、通常の営業列車にも非接触型のセンサーを取り付けて、随時データを計測しています。軌道総合管理システムとは、計測で得たゆがみのデータを管理・解析し、基準値を超過した箇所を可視化することで、それを補修に活かしていく仕事です。

入社2年目のとき、営業運行が終了した深夜、検測車に同乗して保線の現場を見学する機会がありました。人の目に触れない深夜の作業が、日々の安全運行を支えていることを実感するとともに、自分もITという側面からその一翼を担っている自覚を強めました。我々の仕事はお客様からは見えません。あくまで裏方として、鉄道という大切な社会インフラの支えになる。私はこの点にやりがいを覚えています。

仕事の基礎として活きているのがOICでの学びです。基本情報技術者、応用情報技術者などの資格取得を通じて専門知識を磨いたことに加え、システム開発基礎の授業や卒業制作では、企画・要件定義・設計・プログラミング・テスト・発表という業務の流れを実践的に学習できました。こうしたOICでの学校生活があったからこそ、入社後早い段階でシステムの再構築という難しい仕事に携わるなど、社会人としてスムーズなスタートが切れたのだと思います。

新原 佑亮さん

今後はプロジェクトを
牽引する役割を担う

入社4年目にあたる昨年、初めてプロジェクトリーダーを務める経験をしました。オーナーである近鉄へ出向き、打ち合わせや折衝、調整などを重ね、無事にリリースまでやり遂げられました。このとき感じたのは、相手の考えをうまく引き出すコミュニケーション力の重要性です。これからもコミュニケーション力に磨きをかけながら、プロジェクトリーダーとしてさまざまなプロジェクトを牽引していきたいと考えています。そして、今後も鉄道の責務である安心安全に貢献するエンジニアであり続けます。

新原 佑亮さん
IT in Railway Industry

ASKAシステム

近鉄特急座席予約システムは、日本でコンピュータ座席管理ができるようになった1960年から続くオンライン・リアルタイムシステムです。チケットレスサービスなど進化を続け、現在の運輸営業全般を司る大規模なシステムとなっています。

検測装置を搭載した車両と測定結果

軌道総合管理システム

線路のゆがみは走行時の揺れなどにつながり、乗り心地に影響します。そこで、電車が走行する線路(=軌道)の状態を、検測装置を搭載した列車が毎日走行しながら測定。測定結果をシステムで表示し、基準値を超えたところを補修します。

車両総合管理システム

車両の運用計画や検査実績を管理します。近鉄の複雑な車両運用に適したシステムは例がなく、1980年代の初代から近鉄情報システム株式会社が内製しています。情報は社内で共有し、車両品質やお客様サービスの向上のために活用しています。

企業に聞いたOIC卒業生はここがすごい!

新原くんには、大きなプロジェクトを任せていきたい

私は新人教育の指導係を務めており、そこで感じたのは、OIC出身者は行動の根拠となる考え方の部分までしっかり身につけていることです。新原くんの新人教育も担当しましたが、成果物のレベルは同期で一番でした。彼には今後、より大きなプロジェクトを任せていきたいと考えています。

金川 文弘さん
近鉄情報システム株式会社 
運営事業部 マネージャー
金川 文弘さん

140社以上に及ぶ近鉄グループ各社のITパートナーとして、情報システムの開発・保守・運用を手掛ける。鉄道に特化したシステムである運輸営業系、近鉄施設系、運転車両系などのシステムの開発には、コンピュータの黎明期から取り組んできた独自の歴史を誇る。